2011年2月22日火曜日

銀行の債券保有増で金利リスクが既往ピーク=日銀リポート

 [東京 25日 ロイター] 日銀は金融システムの安定について分析?評価を示す「金融システムレポート」を公表し、金融危機後の銀行による債券保有残高の増大に伴うリスクに言及した。
 大手銀行?地方銀行とも、債券保有残高が量的緩和政策時を上回る規模となり、金利が1%上昇した時の保有債券にかかる金利リスク量は既往ピーク圏に達していると
分析、債券含み損の拡大圧力も高まっており、大規模なロスカットが03年VaRショックのような金利の上昇?高止まりを誘発することがあると指摘した。 
 このリポートは年2回公表しており、今回は特に、米欧金融システムとの比較や金融危機後の金融機関行動の変化を意識しつつ、分析?評価を行った。今回の分析では、日本の金融システムは、08年秋
以来の危機的な様相から脱し、安定の方向に向かっているとの評価を示した。しかし、金融システムにはなおぜい弱な面も残存するとして、「金融システムの頑健性」の分析において債券投資の増加によるリスクを指摘した。 
 それによると、借入需要が頭打ちとなったことなどを背景に、邦銀は国債などの債券投資に対する選好を一様に強めた結果、09年9 rmt Red Stone
月末の債券保有残高は国債投資への傾斜を強めていた量的緩和政策時を上回る規模となったと分析。大手銀行は短中期ゾーン、地域銀行は長期ゾーンまで保有残高を拡大させている。貸出についても、資金繰りを安定させるために企業が短期借入れから長期借入れに乗り換える動きが09年度入り後鮮明化。中小企業向け公的保証つき貸出が活用されたことで、貸出期間
は長期化する方向にあるという。また、やや長い目でみると、住宅ローンや地方公共団体向け貸出といった相対的に期間の長い貸出の割合が、地域銀行を中心に増加していることも、貸出金利更改までの平均期間長期化の一因。
 このため、金利リスク量は、運用期間の長期化により、地域銀行を中心に蓄積される方向にあるとしている。 
 また大手銀行?地
域銀行ともに債券保有残高を増加させたため、債券含み損の拡大圧力も強まっていると指摘。金利が不安定化してそのボラティリティが高まった場合に、保有債券にかかる市場リスク量(過去の相場変動に基づくリスク量、VaR)を一定に維持するための債券売却額が増大している可能性にも留意する必要があるとした。大規模なロスカットは03年のVaRショック
時のように、金利の上昇?高止まりを誘発することがあるという。
 このため、各行は証券化を通じた金利リスクのオフバランス化や、デリバティブを活用したリスク?ヘッジ、各種市場リスク間の相関を踏まえた管理なども活用しながら、金利リスクを適切に管理していく必要があるとしている。

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引用元:三國志 専門サイト

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